暁ドエル@新宿区戸山

思い出話。21年前、高校卒業後すぐ上京して、駿台予備校私文1コースで浪人生活を送ることになりました。神戸の予備校にも合格してたのですが、志望大学の本場の予備校に行かせてもらうことになったのでした。今にして思えば全然裕福じゃなかった我が家なのに、本当に感謝です。もう父はこの世にはいないのですけど。

下宿浪人生活をするにあたって、従兄が浪人していた部屋に入れ替わることにしました。新宿区戸山の「暁ドエル」という鉄筋の建物でした。ぐぐってみると、いまでは賃貸マンションになってるみたいですね。しかも、当時の３部屋分が一部屋です！物件広告を見る限りでは昔の一部屋ってわずか4畳だったのか・・・。

暁ドエル、ミクシィで日記書いてて思い出したのですが、私は1987年3月30日から1988年3月某日まで一年間過ごしました。当時は浪人生専用の下宿でした。朝晩の食事を作ってくださる管理人さんが一緒に住んでて、いろいろ本当にお世話になりました。みんなで2階の食堂で食事するのですが、18〜19の男ばっかりなもんだから、ご飯が足りなくなって管理人さんの分を頂いたりしてたなぁ。地元(関西)に住んでた頃は納豆も好きでしたが、ここで出たリアル納豆の臭いに耐えられなかったし。大勢の食事で早食い・大飯食いが身に付きました。

新宿区戸山という土地柄、あちこち散歩する場所にも事欠きませんでした。夏目坂の一本となりの坂道だもんね。定期代を使い込んで、お茶の水まで歩いていったこともあったなぁ。パン屋の娘さんにはテレビに出ましたねって言われたけど、予備校前の取材がテレビに写ったんだろうな。でも、そのパン屋で毎日買ってたのはパンの耳だし・・・。早稲田駅前のミスドには毎日のように通ったし、M君の単車の後ろに乗せてもらったりもした。そのM君の名前を今ぐぐってみると今では長野県で会計士をしているみたいです。

さて、M君の思い出。

暁ドエルに住み始めたものの、ちっとも馴染めず、朝晩の食事は孤独に食べる毎日でした。心の頼りとなるのはラジカセで聴く音楽くらい。おかげでまじめに勉強に打ち込んでましたが、夜中の２時３時に上の階から毎晩ゴリゴリゴリゴリと妙な音が聞こえてきていました。

なんの音なんだろうな、うるせーなーと自分は自分でラジカセで遅くまで音楽を聴いてたのですが、ある日、真夜中にドアをノックする音がしました。「やべー、怒られるかな」とおそるおそるドアを開けると、廊下で何度かすれ違った見覚えのあるM君がコーヒーミルを持って「飲む？」ってニコニコ笑ってました。そっか、あの音は夜中に豆を挽く音だったのか。

20年前のことなのに彼の人なつこいニコニコ顔は忘れないもんだなー。 そんな彼とはすぐに打ち明け、毎日毎晩遊んだものですが、僕は一浪で志望校に合格したものの、M君は二浪となりましたが、二浪中は僕らのような妨害がなかったせいか、無事KO大学に進み、速攻で公認会計士を取得し、いまでは前述のように長野にいるようですね。もし、これを見つけたら連絡ください。大学で過ごした6年も思い出深いですが、暁ドエルで過ごした1年はまさに珠玉の一年でした。

昨日から懐古モードですが、やっぱり2,3月は20年前のことながら受験のこととか学生時代を振り返ってしまうのが不思議。そんなわけで、今日の音楽もジッタリジン「プレゼント」。